おせち料理をいれる重箱ごとの料理の種類と盛り付け詰め方(動画も)!
今回は、おせち料理の最後の回になります。
おせち料理の由来や個別のおせち料理や具材の意味など、2回にわたって紹介してきました。
今回は、おせち料理の重箱に詰める際のことについて紹介したいと思います。
・正式な重箱は?
・重ねた重箱のどれに何を入れる?
・具体的な料理としては何を入れる?
・盛り付け方(詰め方)は?
●おうちで簡単三段重おせち料理 盛り付け手順の紹介(動画3分41秒)
●初めてでもキレイにできるお一段重詰め(市松詰め)のコツ(動画2分9秒)
・一般的な、おせち料理は?
・それ以外のおせち料理は?
などについて書いていきたいと思います。
前にも紹介しましたが、元々お正月料理はお膳に盛られた煮物を「おせち」といい、お重に詰められた料理を「重積」といっていました。
それが、お膳の煮物も重箱に詰められるようになり、しだいにお重に詰められたものを「おせち(料理)」と呼ぶようになったようです。
なお、ここで紹介する重箱への詰め方や五の重の使い方などは一般的なものですので、各地で異なっている場合があります。
その場合は、各地(各家庭での)の習わしに従っていただくほうがいいと思います。
また、一部参考になる共有が許可されている動画を、指定された方法で掲載しています。
短い動画ですので、空いた時間に確認してみてください。
おせち料理はどの重箱に何入れる?
現在おせちは、一段重、二段重、三段重が一般的と思いますが、正式には四季を表す「与(四)段重」または、更に一つ重ねる「五段重」になります。
現在主流の三段重より少ないものは略式といわれています。
五段重の場合の五段目は、予備のおせち料理をいれたり、家族の好物専用や、意図的に空にするなどの使い方をします。
また、重ねた重箱を使うのは、めでたさを重ねる意味合いがあり、内が朱塗り、外は黒塗りが正式な重箱となります。
▼与(四)・五段重の場合
一の重:「祝い肴(ざかな)」黒豆、数の子、ごまめなど。
二の重:「酢の物、口取り」きんとんやかまぼこなどや、酢の物。
三の重:「焼き物」海の幸など。
与の重:「煮物」(四は忌み数字で使用しない)山の幸など。
五の重:五の重は控えの重で、空になっている場合が多いようですが、家族の好物を入れるという説もあります。
*空になっているのは、現在が満杯(最高)の状態ではなく将来さらに繁栄し、富が増える余地があることを示しているのだそうです。
▼三段重の場合
一の重:「祝い肴(ざかな)」「口取り」
お屠蘇をくみかわす時に祝う肴を盛り合わせます。
また、お酒が飲めない子供たちのための甘い料理が中心になります。
二の重:「酢の物」「焼き物」
酢の物を盛るのが正式な詰め方です。
現在は、おせちのなかでもごちそうとされる焼きものも盛るようになりました。
三の重:「煮物」
おせち料理は、季節の野菜の煮しめがその始まりと言われています。
三の重には、筑前煮、野菜の煮しめなど季節のおいしい野菜をふんだんに使った煮物を盛り付けます。
おせち料理の種類と盛り付け(一般的なおせち料理)!
一般的なおせち料理の種類と現在主流の略式三段お重に何を盛り付けるかを紹介します。
●略式三段重に詰めるおせち料理の種類
★一の重
おせち料理の一の重には、 「祝い肴」「口取り」 を盛り付けて、御屠蘇を飲むときの肴とします。
祝い肴三種
(関東:黒豆・数の子・ごまめ、関西:こまめ・数の子・たたきごぼう)
口取り(祝い肴三種・紅白かまぼこ・栗きんとん・伊達巻など)
黒豆の煮物
鰊の卵「数の子」
鰯の小魚「田作り」
牛蒡をたたいて酢で和えた「たたき牛蒡」
紅白それぞれの「蒲鉾」
伊達巻(代用:出汁巻き)
かち栗・栗金団
おたふく豆煮豆
など、縁起をかついで奇数(5,7,9品)の品数を詰めます。
★二の重
「おせち」料理の二の重には、 「酢の物」 「焼き物」 を盛り合わせします。
▼ 酢の物
大根と人参の「紅白なます」
しそ科の「ちょ(う)ろぎ」の根を赤く染めたもの
「蓮根」の酢の物
▼ 焼き物
鰤の焼き物
鯛の焼き物
海老の焼き物
鰻の焼き物
など、ご馳走料理と思われるものも、縁起をかついで奇数(5,7,9品)の品数詰めます。
★三の重
「おせち」料理の三の重には、季節の野菜の 「煮物」 を盛り付けします。
個別の料理もありますが、ほとんどが煮しめの材料になります。
昆布巻
金柑蜜煮
椎茸
焼き目をつけた盾豆腐
手綱こんにゃく
くわい
飾り切りした花蓮根・矢羽蓮根
八つ頭
梅花人参
などの、煮物料理を、縁起をかついで奇数(5,7,9品)の品数詰めます。
●おうちで簡単三段重おせち料理 盛り付け手順の紹介(3分41秒)
●初めてでもキレイにできるお一段重詰め(市松詰め)のコツ(2分9秒)
その他のおせち料理の種類と詰めるお重は?
一つ前の一般的なおせち料理以外のおせち料理の種類と詰めるお重などを紹介したいと思います。
現在主流の三段重での紹介になります。
特にお重の指定のないものは上の一~三のお重を詰める基準を基本に、調理の仕方やお重としての見栄えなども勘案して盛り付けしてください。
上と重複しているものは、下にあるお重に入れる場合も有るという意味になります。
▼その他一の重に詰めることがあるもの
・昆布巻き
・海老
・錦玉子
・八幡巻き
▼その他二の重に詰めることがあるもの
・こはだ
・酢だこ
・なまこ
・松風焼き
・鮭
▼その他三の重に詰めることがあるもの
・里芋
・たけのこ
・高野豆腐
・ふき
・はまぐり
・とこぶし
▼その他(酢の物・焼き物二の重、煮物三の重)
・するめ
・棒鱈
・きんぴらごぼう
・菊花かぶ
・橙
・くるみ
・百合根
・湯葉
・ぎんなん
▼最近食べられるようになった、新たなおせち料理?
・ハム
最近よく入れられているもので意味や由来はありませんが、日持ちする・美味しい程度の理由と考えられます。
・いくら
数の子同様、たくさんの卵が産まれることから子宝に恵まれますようにといった意味があるかもしれませんが、最近使われだしたものです。
・カニ
最近お正月に食べられるようになっただけで意味や由来はありませんが、時期として旬の食材で美味しい・たまの贅沢という程度の理由だと考えられます。
・あわび
本来「ふくだめ」という別称の「とこぶし」ですが、似ていて形も大きく豪華なので「とこぶし」の代替品だと考えられます。
まとめ
今回はおせち料理をどのように重箱に詰める(盛り付ける)かの基本を紹介しました。
一の重「祝い肴(ざかな)」
二の重「酢の物、口取り」
三の重「焼き物」海の幸
与の重「煮物」山の幸
五の重「予備」か「空」にするか、「家族の好物」
一の重「祝い肴(ざかな)」「口取り」
二の重「酢の物」「焼き物」
三の重「煮物」
このような詰め方になります。
ただし、今はお重の見栄えもあるので、見栄えのいいように工夫されることもいいと思います。
ここで紹介した重箱への詰め方や五の重の使い方などは一般的なものですので、各地で異なっている場合があります。
その場合は、各地(各家庭での)の習わしに従っていただくほうがいいと思います。
食が豊富な現代、昔からの伝統料理のおせちには、正直いうと好き嫌いがあるようです。
お正月に伝統的なおせち料理を食べないと1年が始まらないという人もいれば、甘いものや煮物、焼き物が多く、おせちは好きではない人も少なくないようです。
先ほど紹介した五の重のように、かなり古い当時から伝統料理としてのおせち料理は一から四の重までで、五の重は家族の好物を入れていたことを考えると、現代でも伝統料理のおせち料理と家族の好物は分けて考えた方がいいのかもしれません。
現代は三段重より少ないお重が主流ですし、冷蔵・冷凍技術の発達した現代では、家族の好物はお重に詰める必要は無いと思います。
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