おせち料理の意味や由来を一覧(47種類)にしてみました!
前回は、おせち料理について全体的な由来などを紹介しました。
今回は、おせち料理の個別の料理や具材についての意味や由来を紹介してみたいと思います。
おせち料理といえば、冷凍・冷蔵技術の発達していない時代からの伝統的な料理ですので、基本は日持ちのする調理法になっています。
日持ちのする料理ばかりになった理由のなかには、正月三が日くらいは女性が台所に立たなくてもいいようにとの配慮もあったようです。
ちなみに正月三が日、お雑煮を食べる風習がありますが、古くからお雑煮を作るため台所に立つのは男(当主)と決っていて、女性はお雑煮を作らないものだそうです。
日頃忙しい奥さんに正月三が日休んでもらうために、その間にする必要がある風習・食事(家事)なども含めて全て男性が行うのが基本のようです。
女性が休むといえば女正月といわれる小正月も聞いた事があります。
調べてみたら、女性が正月も忙しくて休めなかったときに、松の内を過ぎた頃(15日)に2~3日休んでもらう日だそうです。
その日は基本的に家事全般男性が行うのが基本で、女性は一切行わないそうです。
それでは、そろそろおせち料理の意味や由来について簡単に紹介してみたいと思います。
おせち料理の意味や由来の一覧!
おせち料理の意味や由来を調べて一覧にしてみました。
おせち料理として、単品の料理も数々ありますが、組み合わせたり、野菜などは「煮しめ(筑前煮)」の具材で使うことが多いようです。
基本的に伝統的な調理法は、日持ちのするように「煮たり」「焼いたり」「酢の物」にする調理法になります。
【おせち料理の料理や具材の意味や由来の一覧】
★黒 豆:「煮豆」日に焼けて黒くなるくらい、まめに働けるように長寿と健康を願う。
★数の子:鰊は二親に通じて、卵の数の多さもあわせて五穀豊穣と子孫繁栄を願う。
★田作り(ごまめ):鰯を肥料にして米が大豊作だったことから、田作りの名称とともに五穀豊穣を願う。
★くるみ:「くるみ田作り」「甘露煮」など。固く殻で守られていることから、家庭円満、家庭を守るという意味。
★たたきごぼう:豊年を象徴する瑞鳥の象徴で地中深くに根を張る牛蒡から豊作と息災を願う。
★八幡巻き:意味としては「たたきごぼう」と同じ。ごぼうや野菜を肉(鶏肉や牛肉)で巻いて甘辛く味付けしたもの。
★きんぴらごぼう:意味としては「たたきごぼう」と同じ。ときどきおせちにも使われる。千切りのごぼうやにんじんをフライパンで炒めて調味料を加えたもの。
★するめ:「スルメニンジン」「松前漬」「スルメきんぴらゴボウ」など。祝い事を表す縁起もので「寿留女」の字をあて、結納の品としても使用され、めでたい祝儀の膳に欠かせない品。
★人 参:「梅花人参」など。おめでたい梅の花に見立てて飾り切りした人参。
★紅白かまぼこ:半円のような形から初日の出を思わせることと、赤色は魔よけ、白は浄化を意味するので縁起物。
★伊達巻:代用として「出汁巻き」。武将伊達正宗の派手好きからきた名称で豪華だが出汁巻きで代用することもある。昔の書物の形状に似ていることから、文化、学問、教養の縁起物。
★錦玉子:黄身と白身の2色が金と銀にたとえられ財運★財宝の縁起物。南関東地方のおせちでよくみられる。
★栗きんとん(かちぐり):名称から「勝ち」を連想させる。金団は金色の団子の意味になり金銀財宝を連想させることで金運を願う。
★百合根:「百合根含め煮」「甘煮」「百合根きんとん」など。沢山の片鱗が重り相合うことが和合★平和に通じる。一個の珠から二つの芽を出すので夫婦和合の意味も。
★ぎんなん:「炒り銀杏」「エビ銀杏」「銀杏入りきんとん」など。金色から金運上昇の意味。
★おたふく豆:「煮豆」。そら豆の種類で形がおたふく顔に似る。名称から福が多いことを願う。
★紅白なます:お祝いの水引を模したおめでたい料理で平安や平和を願う縁起物。
★ちょろぎ:長老木の漢字に通じることで長寿を願う。
★蓮 根:「酢蓮」「花蓮根」「矢羽蓮根」。蓮根は穴が多いことから将来のの見通しがきくという縁起物。花に見立てて飾り切りした蓮根。破魔矢の羽に見立てた飾り切りした蓮根。
★ぶ り:「焼き物」。名称から出世魚といわれることで出世を願う。
★ 鯛 :「焼き物」。「めでたい」に通じることから。
★海 老:「焼き物」。長寿(長い髭と曲がった腰)や脱皮を繰り返すことから出世も願う。
★ 鰻 :「焼き物」。うなぎ上りの言葉から出世を願う。
★昆布巻き:喜ぶに通じる。「ひろめ」とも呼ばれ末広がりを連想させる。巻いている形状なら書物を連想させることで学問の象徴。
★煮しめ(筑前煮):おせちにある「筑前煮」これは別名「七宝煮」。七宝とは仏教において、貴重とされる七種の宝のこと。それぞれの具材にも意味がある。
★椎 茸:陣笠椎茸といい武士時代の陣笠に似せたもの。
★手綱こんにゃく:手綱こんにゃくという細工をする。武士時代の馬の手綱に似せたもので手綱を締めて心を引き締める意味。また農耕馬は五穀豊穣の意味も。
★豆 腐:焼き目をつけて盾豆腐といい武士時代の盾に似せたもの。
★くわい:水生植物の根球。最初に大きな目が1つ出ることで「めでたい」「出世」を願う。
★八つ頭:「里芋の品種」親芋が大きいことから人の上に立つ(出世)。小芋が多く付くので子宝を願う。
★里 芋:子芋がたくさんつくことから、子孫繁栄の意味。
★金 柑:「甘露煮★蜜煮」。財宝を意味する金冠との語呂合わせ。
★こはだ:「小肌粟漬け」。成魚になる前の名前なので出世魚で縁起がよい。粟をクチナシで黄色く染めて五穀豊穣を願う。
★酢だこ:「多幸」と書き、字から幸せが多くありますようにとの願い。
★なまこ:「酢なまこ」など。形が俵に似ている事から俵子とも呼ばれ、豊作への願い。
★ 橙 :「中を抜いて皮を器」「橙なまこなど酢の代用」「皮甘煮」など。代々に通じる語呂合わせで子孫が代々繁栄するようにとの願い。
★松風焼き:能の松風にちなんだ名称で、その内容から隠し事や悪いことがなく、真っ直ぐに生きられるようにとの願い。
★ 鮭 :「鮭の西京焼」「鮭昆布巻」「鮭入り紅白なます」など。古くから新巻鮭はお正月の贈り物でお正月の年とり魚として重宝されたから。
★たけのこ:成長の早いたけのこから、繁栄を願う。
★高野豆腐:原料の大豆が古くから邪気を払うものとされてきたから。
★ふ き:「富貴」に通じ、豊かな生活が送れるようにとの意味。
★はまぐり:「煮はまぐり」「蛤串焼き」など。一つしか合わない左右の貝から夫婦円満を願う。
★とこぶし:「とこぶし煮物」など。とこぶしの別名「フクダメ」から福が溜まる事を願う。
★棒 鱈:「煮付け、煮物」。関西のおせちに多く、たらふくの漢字「鱈腹」の腹⇒福で「鱈福」からとも言われるが、どちらかというと保存食で重宝するからという意味が強いらしい。
★菊花かぶ:「甘酢漬け」など。旬のかぶをおめでたい菊の形に飾り切りして、一つを紅で染めておめでたい紅白で酢の物にする。
★湯 葉:「黄金巻」。「ゆばを食するところに病気なし」 との言い伝えがあり健康への願い。
★わかさぎ:「甘露煮」。たくさんの小魚から、子宝が多く授かるようにとの意味。
■2017.12日本 おせち料理の意味に外国人 驚愕
まとめ
こうしてみると、おせち料理として一般的な料理や具材もありますが、あまり聞いたことの無い具材などもあります。
おせち料理には地方色もあるのでそのようなことなのでしょう。
そして、意味や由来はともかく、その地方でその時期が旬という具材を使った料理もあるので、それまでいれると大変な数になるのではないでしょうか。
また、前回紹介したように「おせち」と呼ばない地域もあります。
ちなみに、こちらにもお正月料理はありますが、重箱に入った甘く煮ている煮物が多そうな「おせち」というのは、関東や関西周辺の人だけが、お正月に食べるものという認識でした。
それでは、次回は一般的なおせち料理をどの重箱に入れるのかなどを紹介してみたいと思います。(詰め方についてはその次に予定しています)
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