灘のけんか祭りの東山、木場、松原の特徴と露払いダンジリとは!

2020年1月11日

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灘のけんか祭りにはお神輿の他に、屋台というお神輿に似たものをかついで練り合わせをするのも見所になっています。

屋台は、旧7ヶ村の地区ごとに1台づつ、計7台ありますが、各地区ともそれぞれ特徴があり、それが各地区の自慢のところです。

そのほかにも地区ごとに特徴がありますので、今回はその中から3地区の特徴と屋台とは違う露払いダンジリについて書いていきたいと思います。

灘のけんか祭りの東山!

灘のけんか祭りで東山は、練り番担当になっている年を除いて常に、屋台の宮入順が1番目で最初に宮入する地区になっています。

前に紹介したように、獅子ダンジリのある地区は獅子ダンジリが屋台を先導しますが、東山でも獅子ダンジリが東山の屋台を先導しています。

東山の獅子ダンジリの上では一頭の獅子が踊っています。

引いている綱付近でもう一頭の獅子が勇ましく踊りながら屋台の宮入を先導しますが、これは最初の宮入のときの悪霊払いの意味があるそうです。

屋台の周りには、東山の色であるピンク色の鉢巻でダンジリを引いたり屋台を担いだり、ピンク色のシデのシデ棒を持った人たちが大勢います。

東山の屋台の屋根の前後には、金色に輝く瓢箪12個で円を描いている丸い千成瓢箪の紋が付けられていますが、金箔で光輝いている東山特有のこの紋やその周りの豪華な装飾は黒っぽい漆塗りの屋根に映えて非常に目立ちます。

その屋台が、宮入すると引き綱の付近で踊っていた獅子が拝殿で舞を奉納します。

東山地区には、以前から祭事の主宰者が住んでいて、伝統あるこの祭りを継続してきたことなどから宮本といわれています。

灘のけんか祭りの木場!

灘のけんか祭りので木場の特徴は、独特な太鼓とお迎え提灯になります。

木場は、900年前にはすでに港として栄えていた村で、平安時代の和歌にも謳われています。

20本のお迎え提灯は木場にしかなく、神功皇后の三韓からの凱旋のときにこの地区の人たちが舟提灯で出迎えたという故事からきています。

他に無い木場特有の調子の早打ち太鼓とお迎え提灯、そして木場の色である緑色の鉢巻と緑色のシデのシデ棒の人たちを従えて、木場の屋台は宮入をします。

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木場の屋台の屋根の前後には、黒っぽい漆塗りの屋根に古くから栄えた木場港をイメージした菊水の紋と華麗な装飾が目立っています。

灘のけんか祭りの松原と露払い!

灘のけんか祭りでの松原は、その地区の中に松原八幡神社と御旅山(神社)があり、お宮の中に入ると松原村の提灯があります。

松原には通常の屋台の他に獅子屋台(ダンジリ)があり、この松原の獅子屋台は露払い獅子といわれて、お祭り全行程の露払い(お清め)の役目をするのが大きな特徴です。

本宮の日には早朝から神社で清めの儀式を行い、神社から御旅山までの行程のお清め、そして御旅山山頂までの行程のお清めと先導役を行います。

この露払い屋台(ダンジリ)の太鼓は、本宮の練り場(御旅山麓)では屋台の太鼓とは明らかに違う音を鳴らしながら、担ぎ手によって屋台が大きく揺さぶられ、地面に叩きつけられるなどの危険で荒い洗礼を受けても太鼓の音が止むことはありません。

それは、全ての先陣として悪霊を祓い清めるための大切な役割であるとともに、荒ければ荒いほどその役目を果たせるといわれているからです。

ちなみに、この御旅山での露払い屋台(ダンジリ)の太鼓の音が、環境庁が選定した「日本の音風景百選」に入っています。

松原の屋台の屋根の前後には、左三つ巴の紋、そして名匠といわれる方の作った金具や彫刻が屋台に飾られて、その周りには松原の色である赤色の鉢巻姿人や赤色のシデのシデ棒の人たちを従えています。

まとめ

各地区の豪華絢爛な屋台が、2台、3台で練り合いをする様を見物するのが、灘のけんか祭りの醍醐味ですが、その屋台や地区の特徴などを知ることでまた違った見物の仕方が出来るのではないでしょうか。

また、お神輿や屋台の他にも、御旅山麓の練り場での露払い屋台(ダンジリ)の危険で荒い練りも人気の一つになっています。

そして、灘のけんか祭りでは、お神輿のぶつけ合いや屋台の練りあいの見物も人気ですが、御旅山山頂などの休憩しているときに特徴のある屋台を間近でジックリ鑑賞するのもおもしろいと思いますよ。

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